「スポーツをやりたいけど、自分にあったスポーツはなんだろうか」
そんなことを考えたことはありますか?
一般的には自分でネットで調べ、気になるものを体験しにいくという流れになるかと思いますが
もし障がいを持っていたなら、素直に「やりたいからやる」ができないかもしれません。
どんなスポーツならできるのか。
東京パラリンピックが終わった今、
障がいと向き合い、1人1人が継続してスポーツを楽しめるようにと奮闘しているパラスポーツコンシェルジュについてお伝えしたいと思います。
パラスポーツコンシェルジュとは
千葉県千葉市にあるポートアリーナに相談窓口があり、「パラスポーツの普及・啓発を促進し、共生社会の実現を目指すため、より多くの障害者がスポーツ活動に参加できるよう環境の整備を行うこと」を目的として約5年前に作られました。
千葉市内在住の障がい者がスポーツを継続的に楽しめるように、スポーツのマッチングとそのスポーツのコミュニティへの紹介や体験サポートを行なっています。
現在では200以上の問い合わせがあり、年齢も4歳〜80歳までと幅広く相談にくるらしいです。
もちろん競技によっては年齢制限もあったりするので、そこも含めて1人1人向き合いマッチングをしています。
ではパラスポーツコンシェルジュはどのようにスポーツマッチングを行なっているのでしょうか?
STEP1:対面してヒアリング
問い合わせは直接窓口にくる場合と電話で問い合わせの場合があります。
パラスポーツコンシェルジュとして1人1人向き合い、どんな人なのかを”感じる”ことを大切にしています。
- どんな障がい度合いなのか
- 何ができるのか、何ができないのか
- 選手としてがっつりやりたいのか、楽しく体験するのが目的なのか
ヒアリングして相談者に合うスポーツを見つけていきます。
障がい度合いで、できるスポーツ・できないスポーツもあるのでパラスポーツコンシェルジュの方の経験も踏まえ判断をしていきます。
例えば、重度の知的障害だとボールを扱うことが難しい場合もあったり、車いすバスケをやりたくても手足がないとなると体験までしかできないなど、障がいの度合いでマッチングできるスポーツが変化することがあるのでヒアリング時は相談者・相談者の障がいとしっかり向き合ってスポーツを選定していくのです。
STEP2:スポーツ提案
次はヒアリングして相談者に合うスポーツを提案します。
千葉市内にはスポーツコミュニティが約80団体ほどあります。
身内で行なっているものやアスリートとして活動するクラブチームもあるので全てがマッチング対象の団体というわけではありませんが、千葉市内が持っているスポーツ、そしてコミュニティのどこに当てはまるかを選定し提案。
早い人であれば、この時点で見学までのスケジュールまで組むことが可能となりますが、中には障がい度合いによって提案できる団体がないという人もいます。
その場合はイベントの企画実施や新たに教室を作ることを行い、サポートの継続を行えるようにしています。
STEP3:見学・体験・継続
相談者に合うスポーツとコミュニティを提案したのちは、実際にその場所にいき見学をします。
そのコミュニティへのアクセスにハードルはあるのか、コミュニティの雰囲気や人との相性はどうか、スポーツを体験してみて継続してやりたいと思えるのかなどを一緒に行って判断していきます。
初めての挑戦で不安な人も安心してできるような環境を整えています。
このように相談からスポーツをするまでを全てサポートしていくのがパラスポーツコンシェルジュなのです。
イベント・教室の実施
パラスポーツコンシェルジュの方達はスポーツの紹介だけでなくイベントの企画やパラスポーツ教室の運営も行なっています。
スポーツを始めるきっかけを作るために定期的にイベントを開催。
そのきっかけから継続してスポーツをやれる環境づくりのためパラスポーツ教室を運営しています。
①パラスポーツフェスタちば2021
東京2020パラリンピックで実施された8競技が体験できるイベント
日時:令和3年11月23日(火・祝) 10:00~17:30頃
場所:千葉ポートアリーナ(千葉市中央区問屋町1-20)
②フライングディスク教室
ディスクを投げるというシンプルさから誰でも参加できる教室。
知的障害児,者・発達障害児,者向け
開催日時:令和3年9月〜令和4年3月 土曜日(全10回)
③バドミントン教室
スカッとできるスマッシュを打つ爽快感を感じる教室。
知的障害児,者・発達障害児,者向け
開催日時:令和3年9月〜令和4年3月 日曜日(全10回)
その他にもキッズ向けの水泳教室や車いすバスケット体験教室、陸上、テニス、ボッチャなど数多くのイベントや教室を開催してます。気になる人は一度パラスポーツコンシェルジュに問い合わせてみて下さい!
パラスポーツに関わる人を増やしたい
パラスポーツコンシェルジュの方がマッチングの他にたくさんのイベントや教室を行うのは、障がい持っている人が自分には何ができるのかをいろんなものに挑戦できる環境を作りたいという想いでやっています。
テレビのイメージはパラスポーツのごく一部を切り取ったものです。
それまでにはとてつもない苦労と努力があります。
中にはスポーツを全くやったことがない障がい者も数多くいます。
そのような人達にもスポーツを通して笑顔になってもらうためにスポーツの選択肢を増やしスポーツをし続けられる環境を作っています。
しかし、まだまだ障がい者を受け入れてくれるスポーツ団体は少なかったり、イベントや教室を続けて行なってくれる講師も多くありません。
パラスポーツに関わりたい、パラスポーツを盛り上げたい、子どもたちに様々なスポーツ環境を提供したい…
そんな想いを持った指導員や団体は是非とも一緒にスポーツ提供していきたいです。
子どもと継続がキーワード
実際にお話を聞いて、「日常に当たり前にスポーツができる環境を作る」ということを大事にされていました。
障がいを持っている子どもたちに自分には何ができるのかをスポーツを使っていろんなことに挑戦してほしい。
そのためにはイベントや体験会に参加して終わりではなく、それをきっかけに継続して楽しんでもらえる環境に力を入れていきたい。
子どもたちがそんな環境でスポーツができたら成長した時には結構上手になっているし、パラリンピアンも育っていくと思う。
と今回ご協力いただいたパラスポーツコンシェルジュの杉山浩さんはおっしゃっていました。
「日常にスポーツを。」をテーマに活動しているスポーツライフデザイナーの私(古田優)にとって、とても近しい想いで活動しているパラスポーツコンシェルジュはとても刺激を与えてくれる存在でした。
今後も様々な形でご協力していきたいと思います。
もしあなたがパラスポーツに関わりたい、盛り上げたい、障がいのある自分・家族・友人にスポーツを通して元気になってほしい…
そんな想いが少しでもあるのなら是非とも一度パラスポーツコンシェルジュに相談をしてみてください。
【パラスポーツコンシェルジュ 杉山 浩さん】
車いすバスケ日本代表としてアトランタパラリンピックに出場し8位入賞。元千葉ホークスヘッドコーチ。
【パラスポーツコンシェルジュ詳細】
障害者の方:「自分にあったスポーツが知りたい」「サークルを紹介してほしい」
地域の方:「地域でパラスポーツの体験会をやってみたい」「サークルのお手伝いをしてみたい」
このような相談にお答えします。開設日時:火曜日~日曜日(祝日、年末年始を除く)午前9時から午後5時まで
ちばしパラスポーツコンシェルジュ
場所:千葉ポートアリーナ3階(中央区問屋町1-20)
連絡先:TEL 043-312-0605 FAX:043-312-7076
paraspo-con@chibacity.spo-sin.or.jp